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~令和7年度四国六大学野球春季リーグ展望~
ー連覇か奪還か、プライドをかけた熱い戦いが幕を開けるー
今年もまた、四国地区大学野球に新たな春が訪れる。昨年の春は四国学院大学が6期ぶりの優勝を決め、秋は高知工科大学が全勝優勝でそれぞれ頂点に輝いた。各大学が卒業生を送り出し、新入生を迎えることで大きく顔触れが変わる春季リーグを制するのはどこの大学か。
全勝優勝で3季ぶりの頂点に輝いた高知工科大学は、最優秀防御率に輝いた飯田( 3年:広陵)、最多勝を獲得した吉賀( 2年:大手前高松)が投の中心となり、リーグ戦経験のある岡本( 3年:高知西)、知久馬( 2年:倉吉東)が脇を固める。野手陣では昨秋の首位打者・後藤( 4年:油木)、べストナイン・髙岡( 4年:大手前高松)、最多打点・打越( 4年:相生)、勝負強い打撃を見せる原( 4 年:明豊)ら経験豊富な最上級生のさらに円熟味が増した打撃で連覇を手繰り寄せる。
最終決戦まで優勝争いを繰り広げたが2位で終わった松山大学は、昨秋リリーフとして安定した投球を見せた長谷川( 4年:岡山東商業)、昨秋リーグ戦を経験し更なる飛躍が期待される秋月( 2年: 新居浜東)。野手陣では昨秋最多盗塁、ベストナインを受賞し、ブレークを果たした石原( 2年:英明)、下ロ( 4年:岡山東商業)、齋藤( 4年:広陵)ら秋に結果を残した選手たちが、首位奪還へ闘志を燃やす。
3位となったが確実に力をつけている聖カタリナ大学。2度目の最多三振奪取賞に輝いたタフネス右腕・岩川( 4年:東温)の大車輪の活躍に加え、今井( 4年:西条)、田中( 3年:文徳)らの個性が光る投球に期待。野手陣では俊足巧打の主将・片岡( 4年:必由館)、チャンスメーカー尾﨑( 4 年:聖カタリナ学園)らが出塁し、門田( 4年:西条)の長打で得点する流れが機能すれば創部初の優勝も射程圏内。
優勝から一転4位に転落した四国学院大学。溝ロ( 4年:藤井)、貞岡( 4年:岡豊)らが粘りの投球で試合を作り、美馬( 4年:板野)、中村( 4年:帝京第五)らが守備でアシストする。昨秋高打率をマークした勝負強い打撃が持ち味の山内( 2年:常磐)、永田(3年:帝京第五)が打撃陣を牽引する。
昨春の入替戦で一部昇格し、5位ながらも入替戦を回避した高知大学。キレ味抜群の速球と多彩な変化球を持ち合わせた太田( 3年:加古川西)の活躍が大きなカギとなる。野手陣は、ベストナインに輝いた澤村( 3年:高田商業)ら主軸を担った打者たちの活躍がチームの命運を左右する。
歯車がかみ合わず最下位に沈んだ愛媛大学。昨春最優秀防御率の榎本( 4年:松山南)、昨秋苦しいチームを支えた左腕・小池( 4年:焼津中央)の左右工ースが投手陣を牽引する。野手陣はチームの屋台骨である主将・臼井( 4年:祇園北)の活躍がカギを握る。
二部でも熱い戦いが繰り広げられる。惜しくも入替戦で敗北し、2部残留となった香川大学が、再び一位を目指す。昨秋あと一歩で二部優勝を逃すも、多くのベストナインを輩出した徳島大学や、秋の悔しさを晴らし一部昇格を目指す鳴門教育大学を中心に混戦が予想される。香川高専、新居浜高専、徳島大学医学部の下剋上にも注目が集まる。
各大学とも、キャンプ~オープン戦と精力的に調整を行い、今週はリーグ戦に照準を合わせ、最終仕上げと調整の段階となっている。4月5日(土)から浜公園川之江野球場にて、いよいよ春季リーグが開幕し、大学選手権への出場権を賭けての激しい戦いが繰り広げられる。各大学の四年生は最後のシーズンとなる者も多く、意地とプライドを賭けた戦いとなるだろう。四国の大学野球は一足早く、熱い季節を迎える。